ルガノ〜モンタニョーラ
(Lugano 〜 Montagnola)北と南の出会うところ
チューリッヒやバーゼルから電車で南に向かい、ザンクト・ゴッタルド峠のトンネルを抜けるともうそこは、ティチノ、スイス・イタリア語圏。アルプス南麓の山々が続き、湖のある景色はまさにアルプス。聞こえてくるのは、耳に心地よいイタリア語。そして光も植生も、もう南国。町並みはイタリア。ルガノ駅を降り立ち、駅前から街と湖を見下ろした第一印象である。
このティチノには、不思議な魅力がある。一言で言い表されないが、北と南が溶け合ってバランスよく共存しているからなのかもしれない。スイスの中でも、最も多言語社会として柔軟性を発揮している地方。ドイツ語も、フランス語も英語も通じる。
このバランスの良い魅力に惹きつけられるように、今世紀初め、北から多くの知識人、文化人が、ここティチノへ集まってくる。
中でもヘルマン・ヘッセが、後半生の43年を送ったモンタニョーラは、散策の価値がある。ヘッセ博物館(上記記事参照)からゆっくり歩いて教会、墓地まで行ける。途中、糸杉や栗の木に囲まれたヴィラが立ち並び、その先に、春まで雪を戴くアルプス山系が迫り、散策の足を止め、しばし見入ること一度や二度ではない(写真)。詩人がここを生涯の地、「心の故郷」と呼んだ理由が分かるような気がする。
電車でルガノ駅下車。郵便バス(Postauto)で、モンタニョーラまで。(上記「美術館探訪」参照)
○Heiner Hesse, Arcegnoティチノ観光の問い合わせ先:
E-mail : ett@www.tourism-ticino.ch